竹中工務店(大阪市)は、同社が保有する国の重要文化財の「聴竹居(ちょうちくきょ)」の保存修理整備を完了し、一般見学エリアの公開範囲を全館に拡大。9月3日から公開している。
聴竹居は、竹中工務店に在籍していた建築家・藤井厚二の自邸として1928年に竣工した木造モダニズム建築を代表する住宅。和洋の生活様式を融合させ、日本の気候風土との調和を目指した昭和初期の日本家屋として、先駆性や歴史的・文化的価値が高く評価され、2017年7月に国の重要文化財に指定された。
同社が「聴竹居」を取得した2016年12月から、長らく地元住民と連携・協力を図りながら、適切な維持・管理のもと、見学会やイベントの開催を通して建築文化の発信に努めてきた。しかし、2018年6月に発生した大阪北部地震と同年9月の台風21号の上陸により被災。その後、文化庁・京都府・大山崎町からの指導と国庫補助を受け、災害復旧、保存修理、防災施設整備に加え、外構庭園整備事業を進めてきた。このほど一連の保存修理等整備事業が完了し、ほぼ竣工当時の姿によみがえった。
一般公開は、これまで「本屋」に限定されていたが、整備完了に伴い「閑室」も公開。また、あわせて「茶室(下閑室)」も特別公開する。聴竹居の見学等に関する問い合わせは、「聴竹居倶楽部」のホームページまで。
一般公開日は水・日曜日。「茶室(下閑室)」の特別公開は月に1回、土曜日のみ。入館料は大人1500円、学生・児童1000円。
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