住友林業(東京都千代田区)はこのほど、丸太を活用した軟弱地盤対策工法の第一号物件を着工したと発表した。
同工法は、軟弱地盤に丸太を圧入し、地盤と丸太の双方で構造物を支えるもの。丸太は頭部を地下水位より深く設置し、腐朽や蟻害による生物劣化を防ぐ。圧入した丸太頭部を特殊な粘土で覆い地下水位の増減による影響を回避し、丸太頭部から基礎までを充填材(砕石)で締固め埋め戻す。同工法は、飛島建設(東京都港区)、ミサワホーム(東京都新宿区)と3社で共同開発し、2020年1月に一般財団法人日本建築センターより評定を取得している。
第一号物件は東京都内で着工。建築地は地下水位が高く、砂質土がゆるく堆積していた。液状化対策として同工法を採用し、約160本の国産カラマツを使用した。
丸太に固定された炭素は、地中へ半永久的に貯蔵されるため脱炭素社会の実現に貢献。木の炭素固定機能に注目した「地中に森をつくる」工法として、今後、戸建て住宅や集合住宅、非住宅建築物へ幅広く展開していくとする。
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