厚生労働省は21日、労働安全衛生法によるフリーランスなどの保護に関する検討会を開き、報告書案を示した。被害程度が一定以上の業務上の事故が起きた場合、発注者などに報告義務を課すことが柱。今後、法改正も視野に見直しを進め、保護の範囲を広げる方針だ。
報告書案では、フリーランスが業務上の事故で死亡か4日以上休業するけがをした場合、現場にいる発注者や発生場所を管理する企業に対し、労働基準監督署への報告を義務付ける。
報告内容は発生場所や日時のほか、被災者の氏名、事故の概要や原因など。報告を怠っても罰則は設けないが、労基署による行政指導の対象となる。現場に発注者らがいない場合は、フリーランス本人に労基署への情報提供を求める。
雇われて働く人の労災については企業に報告義務がある一方、フリーランスについては実態把握が手薄になっている。新たに報告の仕組みを設けることで、被害防止に向けた対策の充実につなげる構えだ。過重労働で脳・心臓疾患や精神障害を発症した場合は、フリーランス自身が労基署に報告する仕組みも整備する。
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