積水化学工業(大阪市)住宅カンパニーは9月21日、鉄骨系住宅「セキスイハイム」の既存住宅を対象にZEH水準の断熱性能を目指すリノベーション「あったかハイムTR(ティーアール:Thermal Renovation)」を10月から発売すると発表した。販売目標は、2023年度は150棟、2024年度以降は300棟/年。
「あったかハイムTR」は、施工範囲の断熱性能をZEH基準相当まで向上させるリノベーション工法。同社試算では、「あったかハイムTR」で断熱性能をZEH基準まで向上(UA値:1.31→0.55)させ、適切な空調機器を併用した場合、洗面室・ホールとLDKとの温度差が約4℃に収まるという結果が得られた。また、年間約7万円の光熱費削減効果、CO2排出量は年間1.3トン-CO2削減される試算となり、快適性・経済性・環境性の向上が見込めるとしている。
「あったかハイムTR」では、建物外周に面した1階の天井を部分的に切り欠き、鉄骨構造部の1-2階梁内に断熱材を充填する「1-2階梁内断熱工法」を採用。内壁の撤去が不要で、屋内の施工工数が少ないため自宅に住まいながらのリフォームが可能。このほか、基礎内床下からの床断熱改修、屋根上からの屋根断熱改修、省施工の窓交換工法「進・快適サッシ」などを組み合わせ、断熱性能を大幅に向上させるリノベーションをパッケージ化した。
断熱範囲は、家全体でZEH基準をクリアする「家まるごとTR」、家族が長く過ごす1階全体をZEH基準相当にする「ワンフロアまるごとTR」、LDKのみをZEH基準相当に引き上げる「LDKまるごとTR」の3つのパッケージを用意。居住者の暮らし方、価値観、予算などに合わせて施工規模を選ぶことができる。
同社は、新築住宅のZEH比率が2022年度に94%(北海道除く)に達するなど、省エネ性能の高い住宅供給をすすめており、この取り組みをストック領域にも拡大。既存住宅においても断熱性能のZEH水準化を目指し、築20年以上のセキスイハイムを対象にした「あったかハイムTR」を開発した。1999年の省エネ基準改正以前、特にアルミサッシ・シングルガラス採用の1996年以前に建築された「セキスイハイム」をメインターゲットに、窓の高断熱化と床・壁・天井の断熱改修で、大幅な断熱性能の向上を図る。居住者の快適性向上や光熱費の削減、CO2排出量の削減を目指すとしている。
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