国連のグテレス事務総長は20日、ニューヨークの国連本部で各国政府や企業に一層の気候変動対策を呼び掛ける「気候野心サミット」を開いた。ただ、先進7カ国(G7)で首脳が出席したのはドイツとカナダのみ。国連総会のためニューヨークを訪れている岸田文雄首相や、バイデン米大統領らは欠席した。
国連側は会合での発言枠について、具体的な気候変動対策を発表する国に優先的に与えると説明していた。日本政府関係者は、岸田氏の欠席に関し「日程の都合」と説明している。
グテレス事務総長は冒頭の演説で、先進国に対し「できるだけ2040年に近い時期に温室効果ガス排出量の実質ゼロを達成」するほか、「30年までに石炭火力発電から撤退するための計画を策定」するよう求めた。日本は50年までの排出実質ゼロを目指しているが、石炭火力の廃止は目標としていない。
ドイツのショルツ首相は「化石燃料、特に石炭火力の段階的廃止に向け、われわれ全員の強い決意が必要だ」と訴えた。カナダのトルドー首相は演説前に国連の担当者から「昨年、化石燃料の生産を最も拡大させた国の一つ」と批判されながらも、「G7の中で19年以降、最も温室ガス排出を減らした」とアピール。ただ、石油や天然ガスの生産量削減への言及は避けた。
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