キッズデザイン協議会(東京都港区)は9月20日、子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・サービス・空間・活動・研究などを顕彰する第17回「キッズデザイン賞」の優秀作品37点を発表した。
住宅関連では、優秀賞「経済産業大臣賞」に、子どもたちの創造性と未来を拓くデザインとして、YKK不動産(東京都千代田区)、田口知子建築設計事務所(東京都港区)、竹中工務店(大阪市)による「パッシブタウン第4街区 たんぽぽ保育園」が選ばれた。開放的でのびやかに過ごせる保育園で、造形的なデザインも高く評価された。光と風を取り入れる空間には、地元産の杉材がふんだんに使用され、子どもの感性を豊かにするとともに快適な保育時間を実現している。高断熱と創エネによってZEBを達成している点も時宜に適っていると評された。
この他、優秀賞「こども政策担当大臣賞」には、子どもたちを産み育てやすいデザイン部門の大和ハウス工業(大阪市)「音の自由区」が選ばれた。音をテーマにした量産型住宅の提案で、技術的なアプローチで室内を図書館並みの静けさに保つことが可能。在宅ワークが普及し、家の中で親の仕事と子どもたちの宿題・遊びのシーンがクロスすることが増えていることから、防音と同時に子どもの動きを確認できる点が同部門の主旨にふさわしいと評価された。
また、奨励賞「キッズデザイン協議会会長賞」に、子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門のLIXIL(東京都品川区)「乾電池式オートマージュ台付タイプ」、ポラスタウン開発(さいたま市)の「共有地で『共助』を育み、暮らしの中で『自助』を学ぶ家」、子どもたちを産み育てやすいデザイン部門のYKK AP(東京都千代田区)「M30 顔認証自動ドア」などが選ばれた。
今回の優秀作品は、「子どもたちの自主性を真ん中に据えた『子どもが主役』となる提案」「子どもの国籍、障がいの有無に捉われない多様性の尊重」などの観点で優れた作品が選出された。受賞数は258点。累計の応募数は6566点、受賞数は3911点となった。
9月27日に「第17回キッズデザイン賞 表彰式・シンポジウム」をZoomウェビナーにて開催する。事前登録制。
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