中小企業庁はこのほど、従業員の賃金引上げに取り組む企業を対象とした支援策を強化した。8月31日から内容を拡充した「業務改善助成金」の他に、「キャリアアップ助成金(令和5年度版)」「事業再構築補助金」「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の申請を受け付けている。
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非正規雇用労働者(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など)の正社員化、および処遇改善に取り組む事業者に対する助成金。種類は、▽正社員化コース▽障害者正社員化コース▽賃金規定等改定コース▽賃金規定等共通化コース▽賞与・退職金制度導入コース▽短時間労働者労働時間延長コース―の6種類。
このうち「賃金規定等改定コース」は、3%以上の賃金増額を行う事業者が対象。「賃金規定等共通化コース」は、有期雇用者と正規雇用者の賃金規定共通化を図る事業者を対象としている。「賃金規定等改定コース」の助成額は、中小企業で3%以上5%未満の賃上げをした場合に1人当たり5万円、5%以上は同5万円。さらに1事業所当たり20万円を加算する。「賃金規定等共通化コース」は、中小企業では1事業所当たり60万円の助成が受けられる。
事業再編や新市場への進出など、大幅な事業再構築に取り組む中小企業を対象とした支援策。種類は、▽成長枠▽グリーン成長枠▽卒業促進枠▽大規模賃金引上促進枠▽産業構造転換枠▽最低賃金枠▽物価高騰対策・回復再生応援枠―の7種類。成長枠・グリーン成長枠を申請した事業者に対し、内容に応じて別途上乗せ補助を行う。
「最低賃金枠」は最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な中小企業が対象。補助額は従業員数5人以下が100万円~500万円、6~20人が100万円~1000万円など。補助率は3/4、他。「物価高騰対策・回復再生応援枠」は、原油価格・物価高騰の影響を受ける中小事業者が対象。補助額は従業員数5人以下が100万円~1000万円、6~20人が100万円~1500万円など。補助率は2/3、他。
働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入などに対応する中小企業・小規模事業者を対象に、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援。種類は、▽通常枠▽回復型賃上げ・雇用拡大枠▽デジタル枠▽グリーン枠▽グローバル市場開拓枠―の5種類。電子申請システムのみで受け付けるため、申請時に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要となる。
このうち「回復型賃上げ・雇用拡大枠」は業況が厳しい中、賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者が対象。補助額は従業員数5人以下が100万円~750万円、6~20人が100万円~1000万円など。補助率は2/3。
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