経済調査会(東京都港区)はこのほど、主要資材の価格動向(積算資料速報レポート)を公表した。建設資材価格指数が2カ月連続で最高値を更新した。
8月の調査に基づき算出した建設資材価格指数は、土木指数が前月比1.7ポイント、建築指数が0.2ポイント上昇。建築・土木総合では0.8ポイント増の151.5と2カ月連続上昇し、過去最高を更新した。
生コンクリートやコンクリート二次製品の原材料となるセメントが全国的に一段と高くなったことで、原材料コスト増分の価格転嫁が進み市況が上昇、指数全体を押し上げた。一方、普通鋼鋼材や木材は、需要が夏枯れの様相で全国的に軟調に推移。特に鋼材は、続落している異形棒鋼に加え、横ばい基調だったH形鋼も約3年ぶりに下落局面となった。経済調査会では、軟調な鋼材市況が重しとなり、今後、建設資材価格指数は横ばいから下落基調で推移する公算が大きいと見ている。
都市別では、8月調査で生コンクリートが上昇した仙台、広島、福岡が前月比プラス。普通鋼鋼材の下落の影響が大きかった東京、名古屋、大阪が前月比マイナスとなった。札幌は横ばいだった。大阪・関西万博関連需要が控える大阪地区は、依然として高い水準で推移している。
9月調査(東京地区)では、生コンが昨年11月調査以来の上昇となり、過去最高値を更新。石油製品は、原油高と円安による元売卸価格上昇を背景に流通業者が販価を引き上げ、軽油、ガソリンとも大幅続伸となった。しかし、燃料油価格激変緩和補助金の拡大・延長の決定により、卸値の大幅下落が予想されることから、先行きは一転して弱含みに転じる見込みだとした。
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