収益性優先になりがちな賃貸アパートだが、このほど、パッシブハウス仕様(認定申請中)のアパートが埼玉県秩父市内に完成した。設計・施工はパッシブハウスの認定実績を多数持つ髙橋建築(埼玉県小鹿野町)。高性能な戸建て住宅並みの快適性と省エネ性を実現し、社長の髙橋慎吾さんは「オーナーに損をさせないよう20~30年後も入居者が絶えない賃貸住宅を目指した」と話す。
髙橋建築が秩父市内に建築したパッシブハウス仕様(現在は認定申請中)のアパート、「PASSIVE HEIM Chichibu(パッシブハイムチチブ)」は、単身者や若い夫婦を想定した木造2階建てのメゾネット型アパート。21.25坪の2LDKの住戸4戸からなる。
肝となる断熱は、壁がロックウール105㎜厚充填断熱にネオマフォーム90㎜厚の付加断熱の組み合わせ。屋根も同じくロックウール155㎜厚充填にネオマフォーム90㎜厚の付加断熱を施した。足元は基礎断熱で、外周部にパフォームガード75㎜厚、内側にネオマフォーム45㎜厚を施工。土間下にもXPS100㎜厚を敷き込んだ。
開口部はトリプルガラス樹脂サッシ(YKKAP APW430)を使用し、HEAT20・G3を超えるUA値0.21W/㎡Kを達成した。暖房負荷9.0W/㎡、冷房負荷12.5W/㎡と「冷暖房とも6畳用エアコン1台で十分なスペック」を実現している。
界壁は遮音が重要 石膏ボードを五重に
戸建てと決定的な違いのひとつが、住戸間の界壁だ。温熱環境への影響は少ないが、防火と防音・遮音のために・・・
この記事は新建ハウジング9月20日号1〜3面(2023年9月20日発行)に掲載しています。
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