Tesera(石川県金沢市)は9月14日、京都西陣織の老舗である細尾(HOSOO、京都市中京区)と協業し、茶室 織庵(おりあん)を制作したと発表した。
織庵は、細尾が運営する「HOSOO GALLERY」(京都市)が「織物から建築へ」をテーマに開催する「Texture from Textile」展の第3弾として公開する。織物を題材に空間を捉え直す実践的な取り組みとして制作した織物で内外を仕切る茶室。「茶美会」を主宰する伊住禮次朗氏の協力のもと、建築家・周防貴之氏が設計。同社開発のモジュールシステム「Tesera」のフレームが、茶室の骨格を構成している。
「Tesera」は、日本の伝統建築や意匠の在り方にインスピレーションを受け、現代の文脈で再構成し生み出されたモジュールシステム。さまざまなサイズのモジュールフレームとパネルの組み合わせによって、用途・空間に応じて形を変えることができる。障子や襖など間仕切りの文化を備える日本の伝統建築の在り方と通じるものがあるという。
細くても強度を確保できる独自構造と、モジュールフレーム(幅:450mm、675mm、900mm、高さ:175mm、250mm、350mm)の組み合わせにより、連結型シェルフやベンチなどの家具のほか、床(とこ)を設けた茶室や水屋のような空間づくりもできる。解体して再度組み上げることで、組み立て式の茶室として移設も可能。
フレーム素材は加工しやすくリサイクル効率が高いアルミニウムを使用。伝統建築の建具のように、空間に調和するように成形した。細い外形は、角が尖らないよう加工され、粉体塗装でマットな質感に仕上げている。織物は、障子から着想を得てデザインされた新作テキスタイルコレクション「Shoji Fabrics」で、オランダのテキスタイルデザイナー、メイ・エンゲルギール氏とHOSOOの協業によるもの。
企画展「Texture from Textile Vol.3 茶室織庵」は10月15日まで開催。
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