製品評価技術基盤機構(NITE)がこのほど公表した調査結果によると、台風を原因とした自家用太陽光発電設備などの事故は、9月から10月に集中していることが分かった。台風接近時には、太陽電池パネルを固定する金具や架台の接合部のボルトが緩んでいないか点検するようにと呼び掛けている。
NITEの調査によると、2019年度から2021年度までの3年間で、台風による自家用発電設備の事故が45件発生。月別では全体の約93%が、台風シーズンとなる9月と10月に起きている。事故の種類別では太陽光発電設備が最も多く、このうち太陽光パネルや架台、パワーコンディショナーなどの破損・物損事故が全体の約73%(33件)を占めている。
さらに被害内容を詳しくみると、大雨による被害が25件、強風による被害が19件、雷による被害が1件だった。主な事例としては、▽強風にあおられ太陽光パネルが架台から外れて破損し、破損したパネルが飛散した▽豪雨によって土砂崩れが発生し、太陽電池パネル、支持物、パワーコンディショナーが土砂に押し流され損壊した▽豪雨でのパワーコンディショナー内部へ水分が浸入し、地絡(電流が地面に流れる状態)が発生した―などがあった。
台風接近時の対策を
そのため台風接近時の対策として、①最新の気象情報の確認(雨台風か風台風かの確認)、②太陽電池パネルを固定する金具や架台の接合部のボルトが緩んでいないか点検、③飛散が懸念される電気設備や部品の固定、④雨水の浸入を避けるため、亀裂や穴があれば塞ぐなどの措置を実施、⑤豪雨で土砂流出するおそれのある崖や法面がある場合には、土地所有者・管理者、自治体に通報―を勧めている。
また、台風通過後にも設備の点検を行い、破損や銅線の露出などがないか確認する。太陽光パネル、集電箱、パワーコンディショナーが水没・浸水している場合は漏電や感電の恐れがあるため、有資格者以外はむやみに近寄らないようにし、地域を管轄する産業保安監督部に報告するなどの対処を行う。
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