信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、ウエストホールディングス(広島県広島市)の連結子会社ウエスト電力(広島県広島市)が、5月12日に東京地裁へ申請していた特別清算を取り下げ、9月7日に広島地裁へ自己破産を申請したことがわかった。負債は債権者約29人に対し、約11億円とみられる。
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同社は2014年9月に設立された新電力会社で、既存電力会社と送電網の接続供給契約を締結し、一般企業や40を超える地方自治体などの需要家に電力を供給し、2019年8月期には売上高約340億3700万円を計上していた。
しかし、電力価格高騰による市場での調達価格と需要家への販売価格が逆ザヤになるなど、収益を圧迫したことを理由に、2022年3月に電力小売事業の廃止を決議。接続供給契約を突如打ち切ったことで、複数の地方自治体から損害賠償請求訴訟を提起されるなか、2022年8月期は売上高が約248億3700万円にまで減少。大幅な赤字を計上し、債務超過に転落した。
その後も業況改善の見込みが立たず、2022年6月に営業活動を停止、223年4月28日開催の臨時株主総会で解散を決議し、特別清算を申請していた。こうしたなか、債権者・債務者との協議・交渉が長期化したことで7月14日に特別清算の申し立ての取り下げを決議し、破産手続きが適切と判断した。
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