東京商工リサーチ(東京都千代田区)は9月12日、「男性の育児休業取得率」を調査した結果を発表した。3月期決算の上場2456社のうち、有価証券報告書に「男性の育児休業取得率」を記載した1522社の平均取得率は52.2%だった。最も多かったのは「20%以上30%未満」の196社(構成比12.8%)で、次いで「10%未満」189社(同12.4%)、「30.0%以上40.0%未満」183社(同12.0%)と続く。配偶者の出産と育児休業取得の時期がずれ、取得率が「100.0%以上」となった企業も1割(155社、同10.1%)あった。一方、該当者なしを含む取得率ゼロは142社(同9.3%)。
産業別では、女性の就業者が多い「金融・保険業」が82.7%でトップ。「不動産業」は60.4%と平均を上回ったが、「建設業」(47.5%)など4産業は50.0%以下となるなど、産業により差が大きい。
育児休業は、男女が協力して主体的に育児に取り組むことを目的としており、取得には企業だけでなく、周囲の従業員の理解など職場環境の整備が重要だが、コロナ禍からの回復期の人手不足で対応が難しい事情もうかがえる。
4月から男性の育児休業取得促進のため、常時雇用する労働者が1000人を超える事業主は育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられた。また、金融庁は男性の育児休業取得率などを公表する企業に対し、3月決算から有価証券報告書での記載を求めている。
■関連記事
「女性版骨太方針2023」男性育休普及に向け制度見直しへ
大和リース、男性の育休取得3カ月で100万円支給
大建工業、くるみん認定取得 男性従業員の育休取得率4割超
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。