厚生労働省が9月8日に公表した「2023年民間主要企業の夏季一時金妥結状況」によると、大手建設業者25社の夏季ボーナス妥結額の平均は、対前年比0.6%増の98万4821円。産業全体の主要企業の平均額を上回り、調査対象の産業の中では最も高い水準となった。
ただし、過去5年間における大手建設業の妥結額の推移を見てみると、「2019年」95万695円、「2020年」108万1072円、「2021年」107万9314円、「2022年」97万8922円と、2020年をピークに2年連続で減少しており、今回はむしろ以前の水準に戻ったと言える。
また、2023年の伸び率も対前年比0.6%増となったものの、前年と同一企業(23社)で集計し直した場合は同0.05%減と微減しており、ボーナスの増加は一部企業に限られていたと考えられる。
同調査は妥結額が把握できた資本金10億円以上かつ従業員1000人以上の企業のうち、労働組合のある企業351社を対象に実施したもの。労使交渉の実情を把握する目的で毎年行われている。
産業は2年連続80万円台
全産業の平均妥結額は1.6%増の84万5557円で2年連続の増加。金額も2年連続で80万円台となった。建設業に次いで妥結額が高かったのは、「自動車」96万5962円、「化学」96万2434円、「鉄鋼」95万9606円。増加率が高かったのは「精密機器」の38.1%増、「サービス」の18.47%増。マイナス率が高かったのは「食品・たばこ」の19.64%減、「電力・ガス」の10.71%減などだった。
なお、規模5人以上の事業所を対象とした「毎月勤労統計調査」(2023年6月分結果確報)によると、ボーナスを含めた特別に支払われた給与の平均は、全産業は前年同月比3.5%の増の18万9843円。建設業は同5.6%減の21万9254円と大幅に減少している。
■関連記事
建設業の給与額3.9%減 下げ幅が全産業中最大に
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。