三栄建築設計(東京都新宿区)は9月11日、元社長・小池信三氏が反社会勢力への利益供与を行っていた問題で、再発防止策を取りまとめて公表した。弁護士3人からなる第三者委員会の提言を受けて策定したもの。元社長の影響排除やコンプライアンス意識の醸成、監視機能の強化などを重点的に取り組む。併せて千葉理恵社長ら役員3人の月額報酬の20~30%を3カ月間返上する措置を9月から行う。
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問題の発生原因については、元社長に対してものが言えない社風があったこと、役職員のコンプライアンス意識が足りなかったこと、社外役員への情報連携の不足、反社チェック体制が不十分だったことを挙げた。
これに対する再発防止策として、まずは元社長の影響を排除するための措置を実施。これまでにも組織変更の実施やオープンハウスグループのTOB(株式公開買付け)に合意することで元社長との資本解消を試みるなど、経営の正常化を図ってきた。コンプライアンス意識の醸成に向けては企業理念の刷新と内外への新たな姿勢の公表、全社的なコンプライアンス研修を行う。
さらに取締役会による監視機能の強化策として、反社チェックのための内部監査をグループ本社だけでなく、関係会社にも広げる。新規取引先の紹介者、同社やグループ会社の下請業者の取引先に対しても、反社チェックや誓約書の提出などを求める。さらに内部通報制度の利用対象を取引先に広げ、通報窓口の利用方法を周知する。
他に、千葉社長、吉川和男常務取締役、宮本宜一取締役で構成される再発防止モニタリング委員会を新たに設置。各施策の取組状況の審査や助言・指導、社内規程の見直しなどを、外部アドバイザーを交えて毎月1回実施する。
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