信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、ヤマジョウ建設(岐阜県関市)が9月4日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが分かった。負債は2022年6月期末時点で約5億8600万円。
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同社は、1965年10月創業、1988年4月に法人改組されたもので、創業時は製材および原木卸を手掛けていたが、時流の変遷により木造住宅建築工事にシフトした経緯があるという。
施工物件は県産材を使用し、比較的所得水準の高い施主より1棟当たり2500~3000万円の物件を受注し、1997年6月期の年売上高は約8億500万円を計上していたが、同業他社との競合などもあって収益面は低調な推移が続き、借入依存度の高い運営を余儀なくされていた。
そうした中、借入金の返済猶予措置や業務提携先からの資金援助を受ける形で再建に取り組み、2021年6月期の年売上高は約6億3800万円を計上していた。
しかし、収益面は黒字ながらも支払利息負担によって低調な内容に留まっていた。また、近時は木材など材料価格の値上がりに加え、住宅市況の悪化によって業況は下振れし、2022年6月期の年売上高は約5億6900万円に減少したほか、 2023年4月には前代表が死去した影響もあって事業継続を断念、今回の事態となった。
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