積水ハウスが、18歳以下の子どもが不登校や難病などで看護を必要としている社員に対し、週休3日制や1日5時間勤務といった柔軟な働き方を認める新たな人事制度を導入したことが11日、分かった。既存の育児・介護休業制度の対象外でも、家族を支援する必要のある社員にキャリア継続を後押しする。同社によると、子ども支援に特化した休業制度は珍しいという。
名称は「子どもサポート休業制度」で、先月導入した。子どもが負傷や疾病、身体や精神上の障害などで看護や付き添いを必要とする社員が対象。建設作業に当たる現場社員も利用できる。不登校など年々件数が増加する思春期の課題に対応できるよう子どもの年齢は18歳以下(高校などの最終年度終了まで)とした。
対象者は、週休3日制や最大1日3時間までの勤務時間短縮などを選択できる。1回の申請で2週間から6カ月までの間で制度を利用できるが、繰り返し使うことも可能。通算2年間の休業を選ぶこともでき、まとまった期間に社員が生活基盤を整えることを後押しする。
山田実和執行役員は取材に対し、「既存の制度から抜け落ちる社員本人と、家族の幸せまでをサポートしたい」と強調。社員の声や不登校児童支援のNPO法人の意見を踏まえて制度を設計し、活用に向けた相談も既に複数件入っているという。
このほか、社員のリスキリング(学び直し)を促す「キャリア自律休業制度」も先月導入した。海外に私費留学する社員に対し、最長2年間の休業を認めるとともに、最大100万円の支援金を支給。国内で就学する場合も、期間に応じ最大80万円支給する。
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