近畿大学(東大阪市)は、全国の建設業従事者を主な対象とした「建築学部(通信教育課程)」の開設を2025年4月に予定している。大学の通信教育課程で「建築学部」は同大学が初。
通信制大学の入学者数は、コロナ禍でオンライン環境が整備されたことなどから増加傾向にあり、社会の高度化・複雑化によって社会人のリスキリングやリカレント教育の必要性も高まっている。「建築学部(通信教育課程)」では、同大学の建築学部と通信教育部の知見をもとに、いつでもどこでも学べる環境を安価な学費で提供。オンライン学習を軸に、仕事をしながらでも、学士(建築)の学位(大卒)と一級建築士受験資格が得られるという。
自宅で講習可能な「通信授業科目(テキスト学習)」と、動画やオンラインによる「面接授業科目」を組み合わせた授業構成で、通学は不要。対面での面接授業を希望する学生には、複数の会場で短期集中方式のスクーリングを実施する。建築学部オンライン学士プログラムはこちら。
1年次入学のほか、3年次編入学も可能。短期大学卒業者が大卒を目指すほか、専門学校卒業後に就職した人がそれまでのキャリアで培った実践知を大学での学びに還元するなど、幅広い学びのニーズに対応する。入学定員は1年次入学100人、3年次編入学500人。4年間の学費の総額は125万4000円、3年次編入学(2年間)の場合は68万2000円。
従来の「つくる」ことを主な目的とした建築学に加え、「守り・育てる」建築学を学ぶ場とすることで、都市・建築を形成するデザイン能力や専門知識、技術の修得を図るとともに、社会課題の問題を高い倫理観をもって創造的に解決する人材を育成する。21世紀における社会の変化の中で建築のあり方を継続的に探求できる人材の輩出をめざすとしている。
取得可能な受験資格は、一級・二級建築士、木造建築士、一級・二級建築施工管理技術士、一級・二級土木施工管理技術士、一級・二級造園施工管理技術士。
建設業では、常用雇用・一般労働者のうち高卒が全体の約50%を占め、大卒でも営業担当、事務職など建築士以外の業務に従事するなど、建築学部での学び直し需要は高いと考えられる。時代とともに一級建築士の社会的責任は増しているが、一級建築士事務所の登録人数の減少や高齢化によって、新規資格取得者の需要が高まっているとしている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。