一般社団法人健康・省エネ住宅を推進する国民会議(上原裕之理事長)は8月30日、東京都内で「『全ての国民に生命を守る一部屋確保』を考える産官学民シンポジウム」を開催した。経済的な余裕のない高齢者らが、安全な住環境を手に入れられるよう、国、自治体の補助・助成を利用して主な生活空間一部屋を断熱改修する“健康省エネルーム”を普及させるための施策や、医療、住宅・建築、行政の各分野の連携方法について議論した。
今回のシンポジウムでは、住宅・建築サイドから伊香賀俊治・慶應義塾大学理工学部教授が講演した。伊香賀教授は、スマートウェルネス住宅推進調査などから得られた、住環境と健康の関係に関するエビデンスをまとめて紹介した。
断熱改修前後の調査結果としては、改修後の「健康日本21(第二次)の目標と同程度」の血圧低下効果などが知られているが、伊香賀教授はさらに、得られつつある知見として「居間と脱衣所が18℃未満の住宅では、熱いお湯に長くつかるなど危険な入浴をする人が有意に多く、断熱改修した住宅では減少する」現象を発表した。
2019年度から始まった改修5年後の追跡調査の結果も速報として公開した。断熱改修した住宅の住まい手は・・・
この記事は新建ハウジング9月10日号9面(2023年9月10日発行)に掲載しています。
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