厚生労働省は8月31日から中小企業・小規模事業者を対象とした「業務改善助成金」制度を変更。対象となる事業場を拡大し、すでに賃上げを行った企業も申請できるよう見直した。
「業務改善助成金」は、生産性向上とともに賃金の引上げに取り組む中小企業などを助成する制度。事業場内で最も低かった賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、設備投資を行った事業者に、その費用の一部を助成する。助成対象経費は設備投資、コンサルティング、人材育成・教育訓練など。助成金額は最大600万円。
今回の見直しでは、①対象事業場の拡大、②賃金引上げ後の申請も対象に、③助成率区分の変更―を実施。これまで事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が「30円以内」の事業場を対象としていたが、「50円以内」に拡大された。また、これまで賃上げ前の申請を要件としていたが、2023年4月1日から12月31日までに賃金引上げを実施していれば事後申請でも良くなり、賃金引上げ計画の提出も不要となった。助成率区分についてはそれぞれ30円ずつ引き上げられている。
建設業用ソフト・機材の購入費用も
実際に行われた助成事例として、建築積算システム、施工管理システム、建設業用業務ソフトの導入費用、ステンレス製型枠、監視カメラシステム、小型草刈り機、塗装機械、ミニ油圧式ショベルのレンタル・購入費用などがある。
ある事業所では、新築物件やリフォーム物件の積算見積りのため「建築積算システム」を導入。今までのCADシステムでは約5時間掛かっていた作業が30分で済むようになったという。また別の事業所では「顧客管理システム」を導入。住宅完成見学会で記入してもらった情報の登録にこれまで13時間掛かっていたところ、現場でQRコードを読み取ってもらうだけで登録ができるようになった。他に、パワーゲート付き中古車やホイストクレーンを購入したことにより、重い資材を安全に短時間で運べるようになった例もある。
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