中小企業庁は8月29日、価格転嫁の好事例の公表と「価格交渉促進月間(3月)」のフォローアップ調査結果を報告した。フォローアップ調査では、受注側の中小企業が発注側の大手企業を評価。価格交渉時の対応と価格転嫁の状況を採点している。その結果から、価格交渉のための協議の場は設けられたものの、コスト上昇分よりも低い価格で抑えられている様子がうかがえた。
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フォローアップ調査では、「価格交渉の状況」と「価格転嫁の状況」の採点結果を、平均得点が高い方からア~エに分類。配点は、「価格交渉の状況」では発注側から協議の申し入れがあった場合や、協議を申し入れた場合に話し合いに応じてもらえた場合に満点の10点を配分。逆に減額のための協議や一方的な減額があった場合に-10点を配分している。「価格転嫁の状況」は、コスト上昇分が10割認められた場合に10点満点とし、1割減るごとに1点減点。減額された場合に-3点を配分している。
主な企業の配点結果は次の通り。(回答企業数・価格交渉の点数・価格転嫁の点数)
ア=7点以上、イ=4~7点未満、ウ=0~4点、エ=0点
【ハウスメーカー等】
▽住友林業(26社・イ・ウ)▽大東建託(31社・イ・ウ)▽一条工務店(13社・ウ・ウ)▽ミサワホーム(10社・イ・イ)▽旭化成(10社・ア・ア)▽大和ハウス工業(64社・イ・イ)▽タマホーム(10社・ウ・ウ)▽住友不動産(17社・ウ・ウ)▽積水ハウス(30社・イ・イ)
【ゼネコン等】
▽清水建設(45社・ア・イ)▽竹中工務店(20社・ウ・ウ)▽大成建設(46社・イ・ウ)▽大林組(30社・イ・ウ)▽鹿島建設(33社・イ・イ)▽五洋建設(14社・ア・イ)▽西松建設(10社・イ・イ)▽三井住友建設(10社・ア・イ)▽前田建設工業(13社・ウ・イ)▽前田道路(15社・イ・イ)▽長谷工コーポレーション(11社・イ・ウ)▽九電工(12社・ウ・ウ)▽関電工(15社・ウ・ウ)▽NIPPO(15社・ウ・ウ)
【設備・建材メーカー等】
▽TOTO(16社・ア・イ)▽ホーチキ(10社・ウ・ウ)▽LIXIL(30社・イ・イ)▽JFEスチール(13社・イ・イ)▽AGC(20社・イ・イ)▽積水化学工業(12社・エ・ウ)▽三協立山(11社・イ・ウ)▽日本製鉄(24社・ア・イ)▽京セラ(18社・イ・イ)▽神戸製鋼所(18社・イ・イ)
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