帝国データバンク(東京都港区)はこのほど、関東大震災の認知度や震災に対する企業の見解について調査した結果を発表した。調査対象は全国2万7930社、有効回答企業数は1万1420社(回答率40.9%)。2023年9月1日が関東大震災から100年の節目を迎えることを「知っている」企業は42.5%だった。半数以上の57.5%が「100年であることを知らない、分からない」と回答。都道府県別では、「東京」(52.9%)や「神奈川」(52.1%)、「千葉」(51.4%)など関東で認知度が高く、全体を大きく上回った。また、原発事故の「福島」(49.6%)、熊本地震の「熊本」(43.1%)など、過去に被災した地域で認知度が高い傾向にある。
震災の備えに「取り組んでいる」企業は38.0%だった。しかし「100年であることを知っている」かつ震災への備えに「取り組んでいる」企業は16.5%と、2割以下であることがわかった。従業員数別でみると「100年であることを知っている」かつ「取り組んでいる」企業は、従業員50人以下で16.5%を下回り、51人以上は16.5%超えとなった。「1000人超」は38.9%と最も高く、従業員数が多いほど認知度や備えに取り組んでいる傾向がみられた。
首都直下地震や南海トラフ地震などの大地震の発生が予見されるなか、危機管理への重要性が高まっている。同社は平常時から緊急事態に対して備えることが、事業継続や企業価値の維持・向上の観点からも重要だとして、同調査を実施。BCPの策定や震災への備えは優先順位が低くなりがちだが、非常時の対処方法の策定や確認、見直しなどの重要性を指摘している。
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