大手銀行5行は8月31日、9月の住宅ローン金利を発表し、代表的な固定期間10年の基準金利をいずれも引き上げる。上げ幅は最優遇金利で0.1~0.2%。2カ月連続で全5行が引き上げる。日銀が7月、大規模金融緩和策の一環として実施する長短金利操作の修正に踏み切り、債券市場で金利が上昇していることを考慮した。
9月の10年固定の最優遇金利は、三菱UFJ銀行が前月から0.1%高い0.88%、三井住友銀行が0.2%高い1.09%、三井住友信託銀行が0.15%上昇の1.30%、みずほ銀行が0.15%上昇の1.35%、りそな銀行が0.18%上昇の1.57%。短期金利に連動する変動金利については、全行が据え置いた。
長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは8月23日に一時0.675%と、9年7カ月ぶりの高い水準まで上昇した。金利上昇圧力は強まっており、各行がさらに引き上げる可能性が高まっている。
今後の住宅ローン金利について、ニッセイ基礎研究所の福本勇樹金融調査室長は「3カ月くらいかけて固定金利が徐々に上昇していくだろう」と指摘する。日銀は短期金利をマイナス0.1%に誘導するマイナス金利政策を継続する方針を示しており、福本氏は「一層変動型が魅力的になる」と話している。
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