岸田文雄首相は30日、ガソリン価格の高騰を抑制する補助金制度を延長・拡充する方針を表明した。首相は新たな激変緩和措置を9月7日から発動すると明らかにした上で、「10月中に1リットル当たり175円程度の水準を実現したい」と強調した。レギュラーガソリンの店頭小売価格は、28日時点の全国平均で185円60銭と過去最高を記録しており、家計への圧迫を緩和する。
首相官邸で記者団の取材に応じた。新たなガソリン高対策は年末まで継続する。首相はまた、9月に終了する電気・ガス料金の負担軽減策を10月以降も継続する意向を示した。
これに先立ち、自民、公明両党はガソリン補助金支給を年末まで延長することを明記した提言をそれぞれ首相に提出。電気・ガス料金の負担軽減策についても、延長を要請した。自民の萩生田光一政調会長は終了後、首相官邸で記者団の取材に応じ、ガソリン価格について「国民が我慢できるのは170円台が限界ではないか」と述べた。
ガソリン補助金は、石油元売り会社に支給して卸価格を引き下げることで、給油所の店頭価格を抑える。原油高が落ち着いてきたとして6月以降段階的に縮小し、9月末で終了する予定だったが、原油価格は再び上昇。円安の進行も受けてガソリン価格が急騰した。
新制度は、補助率を現在の30%から引き上げるとともに、予測価格が政府が定める基準価格を一定程度上回った場合に実施される追加補助策の発動条件を緩和する。これらの措置によって、10月に175円程度まで引き下げ、その後も同水準以下となるよう抑制する。財源は既存の予算の未執行分で対応するという。
政府は9月にも、電気・ガス料金の負担軽減措置などを含む大型経済対策を策定する見通し。電気・ガス料金の負担軽減策は、現行計画に沿って9月に補助額を半減させた上で、新たな軽減措置を盛り込んだ経済対策の実施まで続ける方針だ。
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