国土交通省は8月24日、2024年度「予算概算要求概要」を発表。一般会計では前年度比19%増の7兆389億円を要求した。このうち重要政策推進枠として国土強靱化などへの予算1兆6149億円を設けた。
概算要求の3本柱として、「国民の安全・安心の確保」(激甚化・頻発化する災害に屈しない強靱な国土づくり)、「持続可能な産業の実現」(担い手の確保・育成、生産性向上)、「地域の個性を生かした分散型国づくり」を推進する。また、2024年4月に厚生労働省から国交省・環境省へ移管される水道整備・管理行政において、上下水道一体で取り組むための体制を構築する。
住宅関連では、「ZEH・ZEBの普及や木材活用、ストックの省エネ化など住宅・建築物の省エネ対策の強化」に1225億円を投じるほか、「空き家対策、所有者不明土地対策・適正な土地利用の促進」98億円、「既存住宅流通・リフォーム市場の活性化」465億円、「住宅セーフティネット機能の強化」859億円、「密集市街地対策・耐震化の促進」81億円、「盛土の安全確保対策の推進」9943億円の内数―などを求めた。
公共事業費は2割増 資材価格変動に対応
公共事業関係費は6兆2909億円(同19%増)、非公共事業 7480億円(同20%増)。公共事業関係費の内訳は、一般公共事業費6兆2333億円(同19%増)、災害復旧575億円(前年同)となった。東日本大震災復興特別会計は同15%増の465億円を計上した。
予算額を示さない事項要求では、▽防災・減災、国土強靱化のための5カ年加速化対策▽資材価格の高騰を踏まえた公共事業の実施に必要な経費▽国民保護・総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備に必要な経費―などを予算編成過程で盛り込むとした。
公共事業の適確な推進に向けては、▽施工時期の平準化▽適正価格・工期での契約▽地域企業の活用に配慮した適正規模での発注▽新技術導入やi-Construction の推進▽建設資材価格の変動への対応▽建設キャリアアップシステムを活用した処遇改善▽建設産業の賃上げ▽週休2日の実現に向けた働き方改革の推進▽外国人技能労働者の受入・育成―などに取り組む。
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