築12年の中古住宅を購入して、その1年後に雨漏りが発覚したという事例の3回目。透湿防水シートと外装材を張り直すだけでは、雨漏り補修としては不十分。ポイントになるのは、もし雨が入ってきたとしても水分を排出するような通気の仕組みを用意することだ。
透湿防水シートが劣化し、二次防水が機能していなかった築12年の中古住宅。外壁材を撤去して二次防水からやり直すことで、見た目にも美しく仕上げることができた。
しかし、雨漏りの再発を防ぐという目的がある以上、外壁材と透湿防水シートをただ新しく張り直せばいいというわけにはいかない。なぜなら、この外壁材と透湿防水シートもまた、年数を経れば再度劣化していくからだ。
もちろん、換気口回りの気密テープをきっちりと貼ったり、開口部回りのシーリングを隙間なく充塡したり、といった防水施工を正しく行うことは大前提であるが、雨漏りを防ぐにはそれでもまだ足りない。
外装は紫外線や日射熱、風雨にさらされ、消耗が激しい。どんなに耐久性の高い仕様であっても「メンテナンスフリー」はありえない。必ず劣化して雨水の浸入する隙間が生まれてしまうものなのだ。
金属系サイディングの下の 通気層が機能するように施工
たとえばガルバリウム鋼板なども一般的にはよく「メンテナンスフリー」だと説明されがちな外装材のひとつだ。確かに表⾯は腐⾷しにくい(さびにくい)処理がされているが、切断⼩⼝や傷部分は腐⾷につながりやすい。釘部分から胴縁側に浸⼊する⾬⽔も含め、新築時に⽔の影響を受けにくいように気を使われていたかは定かではない。
さらに・・・
この記事は新建ハウジング8月30日号4・5面(2023年8月30日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。