エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区)が8月10日発表した2024年3月期第1四半期連結決算は、住宅分野の売上減少により、売上高は前年同期比7.7%減の19億6600万円。利益面は単体では黒字だったが、グループ会社の損益分が響き、営業利益は同66.4%減の3300万円、経常利益は同92.7%減の500万円となった。最終損益は900万円(前年同期は4900万円の利益)と赤字で着地した。
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田鎖郁男社長は今回の業績について、説明動画の中で「昨年買収した翠豊(岐阜県加茂郡)をはじめとした連結子会社が、この3カ月間で売上を伸ばせなかったことが要因」と説明。営業外損失は「MUJI HOUSE」の株式評価損を計上したものだとした。
また、2025年に4号特例が見直されることについて「これこそが当社が設立以来、願ってきたこと。この法改正で木造戸建て住宅でも構造設計が行うようになる。住宅着工が減る中でも当社の住宅はシェアを伸ばすだろう」と期待を込めた。
大規模建築は売上高2倍超
事業別では、住宅分野はSE構法の出荷数が大口取引先の受注高減少の影響により209棟となり、前年同期比28.7%減少。SE構法出荷1棟あたりの平均売上金額が同5%減少したことから、売上高は12億2600万円(同32.8%減)にとどまった。SE構法登録施工店は新規に7社加入し、600社となっている。
大規模木造建築(非住宅)分野は、店舗などでのSE構法出荷数が32棟(同45.5%増)と順調。大規模木造建築設計を扱う「木構造デザイン」の構造計算出荷数が16棟(同77.8%増)となり、非住宅木造建築物の構造計算数の合計は49棟(同36.1%増)となった。これにより売上高は6億7200万円(同222.7%増)と大幅に伸長した。
環境設計分野は、木造住宅、集合住宅、非住宅木造物件向けの一次エネルギー計算書の出荷数が685件(同3.0%減)となり、売上高は5200万円(同0.8%減)となった。
通期予想は、売上高は90億5500万円(同2.0%減)、営業利益は2億3300万円(同44.7%減)、経常利益は2億3300万円(同48.7%減)、最終利益は1億6500万円(同24.7%減)となる見通し。
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