国土交通省は、自治体が空き家を含む小規模不動産の運営権を民間に売却し、宿泊施設や移住者向け住宅などに改装しながら事業を営んでもらう「スモールコンセッション」の支援に乗り出す。活用されていない資源を有効に使うとともに、人を呼び込むことでにぎわいをつくって地域活性化につなげる狙い。2024年度予算概算要求に関連経費を盛り込む。
国交省は、モデル事業を行うほか、官民のマッチング強化に取り組む方針だ。対象となる小規模不動産は、空き家だけでなく、自治体が保有しながらあまり利用されていない公共施設なども想定される。
コンセッション方式は、国や自治体が持つインフラについて、長期の契約期間を設定して運営権を売却する官民連携の仕組み。自治体は所有権を維持しながら安定した対価を得られるほか、民間にとっても裁量が大きく、見通しを持って事業運営できるメリットがある。
コンセッション方式は、空港や上下水道といった大規模インフラでの導入事例が目立つ。そんな中、岡山県津山市は、市が所有する伝統的な町家群を対象に活用。運営権を得た事業者が宿泊施設に改装し、観光誘客につなげている。国交省は、町家群のような小規模不動産にも導入できることを全国の自治体に周知し、活用を後押しする。(2023/08/22-14:04 記事提供元:時事通信社)
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