エヌエヌ生命保険(東京都渋谷区)は、全国の中小企業経営者7225人を対象に「インボイス制度」に関する意識調査を実施し、このほど結果を発表した。それによると、中小企業経営者の約4人に1人(24.7%)が適格請求書発⾏事業者として登録しない予定であることがわかった。理由は、「業務負担が増えるから」(26.8%)、「対応できる人材がいないから」(18.1%)が上位となった。また、「制度の内容や⼿続き⽅法が分からないから」という回答も16.6%あり、インボイス制度に対応できる人材がおらず⼿続き⽅法がわからないことが登録していない理由の一つとして考えられる。
一方、適格請求書発行事業者へ「登録している」(41.4%)、「制度開始までに登録予定」(11.1%)と回答した経営者に登録理由を聞くと、「取引を打ち切られる可能性があるから」(33.4%)、「新規の取引を敬遠される可能性があるから」(26.8%)と、取引先への影響を危惧する回答が上位に挙がった。
顧客企業から適格請求書発⾏事業者として登録したか確認された中⼩企業経営者は約4割(39.2%)で、6割(60.8%)は現時点では確認されていない状況だった。
反対に、仕⼊先の適格請求書発⾏事業者への登録状況を確認したか聞いたところ、54.9%が「いいえ」と回答し、半数以上が未確認であることが明らかとなった。また、仕入先が適格請求書発⾏事業者ではない場合も「これまで通り取引を継続する」という回答が半数近く(45.6%)で、「取引条件の変更を相談する」は2割未満(18.6%)だった。
調査は、2023年7月14日〜7月18日、従業員300人未満の規模の会社経営者(社⻑、会⻑、取締役)または従業員のいる⾃営業者にインターネットで実施、7225名から回答を得た。
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