住友林業(東京都千代田区)が8月8日発表した2023年12月期の第2四半期決算は、円安により増収となった一方で、米国住宅事業の販売戸数が減少し、利益率が低下。売上高は前期比4.3%増の8164億8300万円、営業利益は同10.6%減の652億2900万円、経常利益は同28.0%減の673億6600万円、純利益は同9.6%減の448億1500万円で減益に転じた。
光吉敏郎社長は説明動画の中で「米国は住宅ローン金利が6%台後半で推移する中で住み替え需要が進まず、中古住宅物件が市場に流通しにくい状況にある。これにより今後、新築住宅への引き合いが強くなるだろう」と期待感を示した。国内住宅事業については、「ZEH住宅比率の向上や資材価格高騰に対する価格の見直し効果により、住宅事業単体の売上総利益率は改善しつつある」と話した。
また、軽井沢の別荘建築に実績のある建設会社・笹澤建設の事業継承をしたことにも触れ、「別荘・ホテル請負事業分野の拡大を図り、競争力の強化につなげたい」と述べた。
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住宅事業は1.8倍の経常利益増
セグメント別の業績は、木材建材事業が木材価格の下落の影響で販売価格・数量が落ち込み、売上高は1157億円(前年同期比15.2%減)、経常利益は55億円(同25.2%減)に落ち込んだ。一方、住宅事業ではコスト低減につながり、売上高2630億円(同8.0%増)、経常利益155億円(同180.7%増)で大幅な増益となった。
海外住宅・建築・不動産事業は売上高4302億円(同8.4%増)、経常利益458億円(同43.9%減)。資源環境事業は、売上高が116億円(同12.2%増)となったが、海外森林事業の販売価格下落、バイオマス発電事業の燃料価格高騰で、経常利益は3億円(同71.3%減)となった。
リフォーム事業の住友林業ホームテックは、一般顧客からの受注が伸び悩み、受注金額が前年同期比0.7%減の322億円と微減。完工高は施工件数がやや増加し、299億円(同7.3%増)となった。
通期予想は、今年に入り米国戸建住宅事業が回復に転じ、受注・引渡し共に好調に推移していることから、4月27日発表時の予想から上方に修正。売上高は1兆7260億円(前年比3.4%増)、営業利益は1305億円(同17.5%減)、経常利益は1500億円(同23.1%減)、純利益は920億円(同15.3%減)を見込んだ。
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