2023年度の都道府県別最低賃金が8月18日に出そろい、時給の引き上げ額は24県で中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)が先月示した「目安」(39~41円)を上回った。物価高や人手不足を背景に賃上げ機運が高まり、厚労省が同日発表した全国加重平均額は43円増の1004円。時給が1000円の大台を超えたのは前年度の3都府県から8都府県に増えた。新たな最低賃金は10月1日以降、順次適用される。
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引き上げ額が最も大きかったのは47円の島根と佐賀で、目安を7~8円上回った。島根は857円から904円、佐賀は853円から900円に上がる。物価高で生活が厳しくなっていることや、賃金が高い地域との格差是正を重視した。
佐賀と同様に時給が現行で最も低い853円の地域では、沖縄が43円増の896円、秋田や宮崎などが44円増の897円、青森や長崎などが45円増の898円に改定される。
一方、1072円の東京は41円増の1113円と改定後も最も高く、それに次ぐ1071円の神奈川も41円増の1112円に上がる。今回39円の引き上げにとどまった岩手は、893円で最も低い水準。最高額と
最低額の格差は220円と前年度の219円から1円広がった。
最低賃金は引き上げ額の目安を参考に、各地域の審議会でそれぞれ具体的な額を決める。目安は都道府県をA~Cの三つのランクに分けて提示され、東京や神奈川などのAは41円、京都や兵庫などのBは40円、岩手や沖縄などのCは39円だった。
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