【ニューヨーク、香港時事】経営危機に陥っている中国不動産開発大手、中国恒大集団は17日、ニューヨーク州の連邦破産裁判所に、外国企業が米国内で保有する資産の保全を可能にする連邦破産法15条の適用を申請した。これにより、恒大は米国内の資産の差し押さえなどを回避できる。ただ、債権者との交渉は難航しているとみられ、再建への道筋は見通せない。
ロイター通信によると、恒大は同法15条の適用承認を巡る審理を9月20日に開くよう提案。破産裁判所への提出書類では、香港などで進行中の債務再編協議の承認を求めている。
恒大の2021年と22年の通期決算は、2年間の最終損益が単純合算で約5800億元(約11兆6000億円)の赤字となり、債務超過に転落。負債総額は22年末時点で2兆4374億元と、同年の中国国内総生産(GDP)の約2%に達した。
恒大は積極的な事業拡大で中国有数の不動産業者となった。しかし、当局がバブル抑制を目的に不動産企業への融資規制を強化したため、資金繰りに行き詰まり、21年に実質的なデフォルト(債務不履行)に陥った。
恒大は今年3月、経営立て直しに向けた外貨建て債務の再編案を公表。新たに発行する社債や傘下の電気自動車(EV)メーカーの株式に転換できる案などを債権者に提示した。
中国では、恒大以外の開発大手も急速に財務が悪化している。碧桂園は今月10日、今年1~6月の純損益が最大550億元の赤字になるとの見通しを公表した。(2023/08/18-09:25 記事提供元:時事通信社)
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