家族がいつもニコニコ笑顔で仲良く暮らせる家を―。そんな想いで家づくりに取り組む、社長もスタッフも穏やかな笑顔が印象的な町の工務店、それがニコハウス設計室だ。同じ場所にとどまることなく、常に進化を目指す社長の鈴木茂明さんを、広報・経理を担当する妻の佳奈さんと、新入社員で設計アシスタントの鈴田晴美さんが支える。鈴木さんの家づくりにかける想いや情熱、飽くなき向上心で学び続ける姿勢が、顧客の心をつかみ、ファンを増やしている。
鈴木さんは3歳の時に病気で母親を亡くし、7歳のころからは父親と離れ、それ以来、弟と2人、ずっと祖父母に育てられた。「両親の分まで愛情を注いでもらい、不自由なく育ててもらった」と亡き祖父母に感謝するが、それでも両親と4人そろって楽しく過ごした鮮明な思い出がないことに一抹の寂しさを感じることも。だからこそ、家づくりという仕事を手がけるいま、「家族がいつも笑顔で仲良く暮らせる家を届けたい」という想いは人一倍強い。その鈴木さんの想いが、ニコハウス設計室の家づくりのバックボーンとなっている。
ハイレベルな標準性能
とはいえ、想いだけで良い家をつくることができ、顧客から評価を得られるほど工務店業も住宅業界も甘くはない。想いを軸に、常に学び、設計力と技術(施工)力を磨き、進化し続けるのが鈴木さんのスタイルだ。断熱はHEAT20・G3に近いUA値0.3W/㎡K程度、気密はC値0.1~0.2㎠/㎡の間、耐震は許容応力度計算による等級3が同社の標準性能。創業時からこだわってきた性能に関しては「地域の人たちから評価されているという確かな手ごたえを感じている」と鈴木さんは語る。
独立前、地元の工務店に設計担当として勤務していた27歳の時、自宅で祖母がヒートショックで亡くなった。鈴木さんは当時、「恥ずかしいことに、そのヒートショックが住宅の断熱性能に起因したものだとは知らなかった」という。その後、設計者として断熱性能と住む人の健康状態について理解を深め、それが亡くなった祖母への想いと結びつき、会社に対して「住む人が健康に暮らし続けられるように(自社の)住宅の性能を引き上げましょう」と強く訴えた。しかし・・・
この記事は新建ハウジング8月20日号2面(2023年8月20日発行)に掲載しています。
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