TOTO(福岡県北九州市)は、ライフスタイルに合わせてセミオーダーでカスタマイズできるシステムドレッサー「ESCUA(エスクア)」をリニューアルし、8月1日に発売した。生活者ニーズの変化で求められる“自分らしい心地よい暮らし”を実現するため、新たなアイテムと機能を追加して期待に応える。新しいエスクアについて、デザイン・開発・販売のそれぞれの視点から語ってもらった。
デザイン
小西 加呂さん
デザイン本部 デザイン第一部 第一デザイングループ
主任デザイナー
1990年入社。国内システム商品(キッチン、洗面、浴室、トイレ)海外向け水栓デザイン戦略を経て、現在、洗面デザインを担当
クリスタルカウンター、新柄の“白凪 ”
エスクアは、弊社の洗面化粧台の最高級機種で、お客様の生活スタイルに合わせてカスタマイズできるセミオーダーのシステムドレッサーです。こだわりのある空間を提供することを目指し、空間での収まりを精査し、マテリアルの充実を図ってきました。
今回のマテリアルは、クリスタルカウンター(柄入り)に豊かなくつろぎ感をイメージして、静かな水面をモチーフにした「白凪(しらなぎ)」を追加しました。クリスタルカウンターは、光を取り込み、すりガラスのような透明感があります。美しいだけでなく、熱や衝撃に強い弊社独自のハイブリッド素材です。
もう一つの新商品、昼白色と温白色の調色ができる「パッとフェイスタッチレス上下LED・調色機能付き」と組み合わせることで、クリスタルカウンターのやわらかな質感が引き立ち空間を魅力的に演出し、さまざまな光の美しさを楽しみながら、リラックスして過ごしていただくことができます。
機能性とデザインの両立
エスクアをデザインする上で意識しているのは、機能性とデザインの両立です。例えば、ホテルライクな見た目を目指すのであれば、センサーの位置がはっきり目立つような加工は避けたいのですが、一方でお客様がセンサー位置を認識できなければなりません。そこで、使いやすさと美しい空間での収まりを実現するセンサーのあり方を検討しました。同様に、「洗面カウンターまわりの壁を演出したい」というお客様ニーズに対して、これまでは鏡タイプのみでしたが、パーツを組み合せた時に相性の良い自然素材を表現した3種のバックパネルを追加しました。水じまいや清掃性に優れた機能の両立をつくりこみました。
エスクアでは、お勧めの組み合わせによる“自分らしい心地よい暮らし”を提案していますので、6つの基本プランをベースにデザインパーツを自由に組み合せていただくことで、お客様にフィットするスタイルを見つけられる製品となっています。
開発
佐藤 奈緒子さん
洗面開発グループ
2008年入社後、洗面化粧台の開発に従事
鏡の上下にタッチレスLED照明を追加
お客様の「コロナ禍でリラックスしたい」「清潔を保ちたい」というニーズ、これらに対応することを考えて、新機能として化粧鏡にタッチレスのLED照明を追加しました。物理的に触るスイッチを失くし、代わりにセンサー感知にしたことで、点灯・消灯のオンオフを非接触で対応できます。
開発では、センサーの位置や検知範囲、感度などに課題観をもって挑みました。センサーは化粧鏡の右下に配置していますが、お客様が自然に手を差し出すのはどの位置なのか、人によっても差し出す位置が違います。センサーに水が付着すると誤作動する可能性があるので、水の飛び跳ねにくい位置に配置する必要もありました。センサーがある化粧鏡の右下は、ハンドソープなどを置いたりする場所でもあるので、使うときに誤検知をしにくいように細かく調整しました。ハンドソープを使うときなど、他の作業で手が通る度に照明が点灯するのはストレスになるので、センサーの範囲内に手がサッと通った程度では反応しにくいように設定しました。
また、センサーは対象に当たる光量で反応するため、肌の色によっても反応が違います。そうした特徴のばらつきをカバーできるように、社内でモニターを募って検証していきました。
水の出し止め、照明操作も非接触を実現
元々、洗面化粧台は清掃性や清潔さが特に求められている部分ですが、コロナ禍を経て、より衛生面への配慮が求められるようになりました。外出後の汚れた手はもちろんのこと、髪の毛のスタイリング剤や化粧オイルが手に付いていた場合もタッチレス機能によって物理的に触れることがないため、常にスイッチの部分を清潔に保てるようになります。従来からあるタッチレス水栓とかけあわせることで、洗面所に入ってから手洗いや洗顔などを終えるまで、完全非接触で対応できるようになりました。
さらに、排水口まわりを除菌する「きれい除菌水」機能も組みあわせると、清潔で快適な暮らしが実現できます。これら3点の組み合わせは、弊社ならではの清潔さを保つ強みになっています。
販売
丸 なみこさん
浴室・洗面商品営業グループ
2007年入社、現在は洗面化粧台の販売・コミュニケーション業務に従事
アフターコロナで生活者ニーズ変化
新型コロナウイルス感染症の流行により新しい生活様式が定着し、システムドレッサーに求めるニーズが変化してきました。コロナ禍以前の市場調査では、「清掃性」「収納力」「使い勝手」「デザイン」の4点が重要視されていましたが、コロナ禍以降では、「リラックス」「安心・安全」「衛生的」「清潔性」の要素が上位に挙がりました。
お客様ニーズは外出自粛により、家の中で“自分らしい心地よい暮らし”を求める傾向になり、かつ感染症対策として衛生意識がさらに高まりました。また、在宅時間が長くなったことから、家事負担を減らすために、お手入れのしやすさや使い勝手の良さも求められるようになりました。
そうした背景を踏まえて、洗面化粧台を清潔に保てる衛生的な機能や新しいデザインパーツを追加したことで、組み合わせ次第で、よりこだわった空間を実現できる商品としてリニューアルしました。
ライフスタイルに合わせた、3つの過ごし方
エスクアは、お客様のライフスタイルに合わせて、6つのプランをベースにさまざまな組み合わせを楽しむことができます。今回、さらに選択肢を増やすためにクリスタルカウンター(柄入り)とバックパネルの新色を追加したことで、LEDの光と素材が調和した彩りある空間を上質に演出できます。そして、より自分らしい心地よい暮らしをお客様に実現していただくために、3つのコンセプトを主軸にした過ごし方の提案をお伝えしています。
1つ目は、穏やかでゆったりとした“ホテルライクな雰囲気 ”を楽しめる「フローティングプラン」です。2つ目は、白を基調とした朝に爽やかな気持ちで“家族みんなが気持ちよく使える”「2連ボウルプラン」。親子が洗面化粧台の前に立って、2人仲良くスムーズに身支度できるような空間となります。3つ目が、“私を癒す贅沢な居場所 ”をコンセプトに、ゆっくりと心を満たすことができる、プライベートなドレッサースタイルの「片寄せオープンプラン」。お客様の自分らしい暮らしを実現するためのアイテムが充実したことで、幅広いコーディネイトの提案が行えるようになりました。
(sponsored by TOTO)
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