日本商工会議所はこのほど、商工会議所LOBO(早期景気観測)2023年7月調査結果を公表した。全産業合計の業況DIは、前月比▲0.9ポイントの▲9.8。持ち直しの一服感が続き、ほぼ横ばいとなったが、建設業は、建設資材やエネルギー価格の高止まりによるコスト負担増で悪化となった。日商は「経済活動は回復基調が続き、価格転嫁も一部では進捗が見られるが、労務費・販管費の上昇分までの十分な価格転嫁は行えていない」とした。さらに、「需要増に伴う人手不足も深刻化しており、中小企業の業況は、ほぼ横ばいで足踏みしている」とした。
先行き見通しDIについては、「夏休み需要の本格化を控え、個人消費やインバウンド需要のさらなる拡大への期待感が伺える」とする一方、需要増に対する人手不足や、物価高による日用品等の買い控え、エネルギー価格の上昇傾向、海外経済の鈍化による外需の停滞などから、「慎重な見方が続いている」として▲12.5(今月比▲2.7ポイント)とした。
建設業に関して7月の売上DIは▲14.4(前月比+1.2)、採算DIは▲26.6(同▲4.4)、仕入単価DI▲75.0(同▲0.9)、販売単価DIは29.8(同+1.4)、資金繰りDI▲6.7(同+2.1)、従業員DIが32.7(同+2.7)。
建設業の先行き見通し(8~10月)は、売上DIは▲6.4、採算DIは▲20.2、仕入単価DI▲63.5、販売単価DI21.5、資金繰りDI▲9.3、従業員DI34.6。
事業者からは、「事業承継を契機に、会社全体の若返りを図るべく、中堅の即戦力人材や新卒の採用を重点的に実施。あわせて働き方改革に向けて労働時間の管理を強化する等、生産性を高めていくよう改善を図っている」(大工工事業)、「2024年問題への対応が本格化する中、具体的な対応が追いついていない。他社・他業種の動向を参考に残業規制等への取組を進めていく」(一般工事業)といった声が聞かれた。
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