帝国データバンクが8月3日に公表した、中古車販売会社・ビッグモーターのサプライチェーン企業に関する調査によると、同社に売上高の1%以上を依存する企業は、調査したものだけで全国に410社あり、このうち店舗建設に関わる「建設関連業種」が171社で、全体の4割以上を占めることが分かった。データバンク社は「ビッグモーターの業況が悪化すれば、こうした企業への影響も避けられない」と懸念を示している。
ビッグモーターでは保険料の水増し請求が問題となって以降、不正車検を行ったことによる民間車検場の指定取消処分、街路樹問題、パワハラ訴訟などの不祥事が次々と発覚している。そこでデータバンク社は、ビッグモーターに部品などの製品やサービスを提供する周辺産業(商流圏)の特徴や取引規模を調査し、サプライチェーン企業に与えた影響についてまとめた。
上位3位内に建築・内装工事業
まずサプライチェーン企業を業種別に見ると、店舗での整備業務に関わる「自動車部分品・附属品卸売業」が40社で最多に。次いで、2位「建築工事業」22社、3位「内装工事業」20社、4位「土木工事業」13社、8位「鉄骨工事業」11社、9位「とび工事業」9社と、上位10業種中6業種が建設関連業種だった。これについてデータバンク社は、「全国に260店舗以上と多店舗・大規模店舗展開の戦略を採っている」ことが理由であると説明している。
依存のレベル別では、最も依存度が高く直接取引のある「Tier1」(平均依存度10.9%)は156社、間接取引のある「Tier2」(同3.2%)は229社、「Tier3」(同2.0%)は25社だった。これらの企業の売上高に影響をもたらした金額(推計)は、「Tier1」187.2億円、「Tier2」35.8億円、「Tier3」1.0億円、合計224億円に上った。
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