清水建設(東京都中央区)はこのほど、同社が設計施工を担当した大規模商業施設「イオンモール豊川」(4月4日開業、愛知県豊川市)が、東京建築検査機構から建築物省エネルギー性能表示制度にもとづき「ZEB Ready」に認証されたと発表した。イオンモール豊川は、鉄骨造3階建て、延床11万3000㎡の中京圏最大級の商業施設。10万㎡を超える商業施設での同認証の取得は全国で初という。
大型商業施設では、照明照度を高めに設定するなど、商品プロモーション優先の施設運用でエネルギー消費が膨大となるため、ZEBの認証取得は難しいとされてきた。イオンモール豊川では、事業者と協議のもと設計テーマの一つに「脱炭素」への寄与を掲げ、建築・設備等において省エネルギー設計を追求し、ZEB Readyの認証取得を実現した。
屋上を外断熱仕様とし、すべての外部ガラスにLow-eガラスを採用することで高い断熱性能を確保。モールの照明はハイサイドライトから外光を採り入れ照明照度を抑制した。空調には商業施設としては珍しく自然換気を積極活用したほか、人の動きをAIカメラで分析した結果を換気・空調制御に反映。熱源にはコージェネレーション設備、高効率熱源機、地中熱チラー、モール内の食品ゴミによるバイオガス発電、太陽光発電などを採用した。施設全体で54%の省エネルギーを達成し、年間のCO2排出量を約4900t削減できる見込み。
同社は今後、大規模商業施設の事業者にも徹底した省エネルギー設計を提案し、案件受注とともに脱炭素の取り組みを加速させるとしている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。