建築用タイル・石材等の輸入販売商社のリビエラ(静岡市)は、廃棄タイルを再活用する取り組みを行っている。このほど、アスコット(東京都渋谷区)が開発したマンション「ASTILE(アスティーレ) 日本橋浜町」(6月28日竣工)のエントランス部分に、同社の廃棄タイルがアートウォールとして採用された。
使用したのは、廃番となったタイルのカットサンプル全13種類、合計618枚。廃棄予定のものを新たな用途に転用するアップサイクルという手法を用いて制作した。さまざまな色柄のタイルをモザイク状にレイアウトしたアートウォールは、エントランスまでのアプローチ空間に設置。居住者に落ち着きと安心感を与える心地よい空間を創出すると同時に、通りすがる人々に街角アートのような楽しく豊かな場を提供する。
タイルや石材の廃棄は、産業廃棄物(ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず)として扱われており、全体の最終処分量(8693千t/年)のうち4番目に多い1150千t(13.2%)を占めている。再生利用が可能なガラスくずなどと違い、タイルは溶かす・燃やすことができないため、いかに廃棄量を減らすかが課題となる。
そこで同社は、ケース販売が主流のタイル販売において1枚単位、乱形石は1㎡単位で受注することで無駄な廃棄を削減。また、不要となったサンプルタイルを回収し、再度サンプルタイルとして活用するなどして、産業廃棄物や処分に伴うCO2排出量の削減に取り組んでいる。
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