住総研(代表理事:宮本洋一・清水建設会長)は7月13日、第60回住総研シンポジウム「住まいの未来をつくる『○○大工』」を開催した。建設職人、特に大工の減少が著しく進行している中で、従来とは異なる大工像を提唱する “○○大工”5組の活動から、大工の新たな可能性を探った。
開会にあたり、蟹澤宏剛・芝浦工業大学教授が主題解説を行った。蟹澤教授は、「10代の入職者数が変わらない、甘めの前提」で、65歳未満の大工人口が、2035年には20年比で2分の1、45年には3分の1まで減少すると予測。50年には4分の1まで減少する見通しだという。
若年入職者の減少が大工の高齢化・減少の大きな要因になっているが、大工の世界には「社員化が進んでいない、就業規則がなく求人票が出せない、休日が少ない」等の問題がいまだ潜むと指摘。マズローの五大欲求の各段階に、社会保険や社員化、CCUS、能力評価、キャリアパスなどを当てはめつつ「野丁場に比べ町場の大工では取り組みが進まなかった。これからの担い手確保の課題」とした。
動画からコミュニティまで多岐にわたる大工の活動
登壇した“〇〇大工”は5組。チャンネル登録者数約67万人を誇る「YouTuber大工」の⼤⼯の正やんは、息子の船井啓太さんが「日本の職人の技や、家づくりの過程が見られることは価値があるはず」と考え、YouTuberに。現場での教育や指導にも動画が使われており「大工の入口をつくれているのでは」とした。
「デジタル大工」仲子竣祐さんは・・・
この記事は新建ハウジング8月10日号15面(2023年8月10日発行)に掲載しています。
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