編集部が注目する住宅関連ネットワークのトップに新建ハウジング発行人・三浦祐成が「今こそ聞きたい話」を深掘りする本連載。Season2の第6回は、移動できる木造住宅「ムービングハウス(商品名:スマートモデューロ)」を提供するアーキビジョン・ホールディングスと、普及活動に取り組む日本ムービングハウス協会。外断熱による優れた住環境の追求が、災害時の応急仮設住宅や公共施設としての用途に発展している。今後、ムービングハウスはどう展開していくのか、両社の代表に話を聞いた。
三浦:ムービングハウスはどんな経緯で開発されたのか。
佐々木:ムービングハウスは、アーキビジョン二十一(北海道千歳市)が2007年に開発した工場生産型のユニット住宅「モデューロ」をもとに、全国輸送を可能にするための改良を加えたものだ。アーキビジョン二十一が生産を、アーキビジョン・ホールディングス(北海道札幌市)が販売を担っている。
丹野:アーキビジョングループはもともと、外断熱工法による住宅の開発などを主に手がけてきた企業で、本場ドイツの原理・原則に沿った外断熱工法を普及させるのが本来のミッションだ。日本でも外断熱工法は普及しているものの、ドイツにおける外断熱工法とは異なるものも多い。原理・原則通りの外断熱工法なら、300年は耐えられる。私たちはこれまで、約6000棟以上を建築してきたが、その全てで外断熱工法を用いている。本来の外断熱工法を、工場生産によって一定のクオリティを保ちつつ供給できるようにしたのがモデューロ。そして、全国各地どこへでも展開できるよう、外壁を軽量化して輸送時の負担を軽減したのがムービングハウスだ。
三浦:日本ムービングハウス協会はどのような役割を担うのか。アーキビジョングループとの関係性・役割分担は・・・
この記事は新建ハウジング8月10日号9面(2023年8月10日発行)に掲載しています。
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