建設業振興基金は7月31日、新たに「ロギング機能」を搭載したCCUS(建設キャリアアップシステム)用のカードリーダーを開発した。「ロギング機能」は、就業履歴をカードリーダーに一時的に蓄積する機能。これにより現場にパソコンとカードリーダーの両方を設置する必要がなくなり、カードリーダーだけで就業履歴が登録できるようになる。
現場で建設キャリアアップカードを使って就労履歴を登録するためには、現場にカードリーダーとパソコンやタブレットなどを設置する必要があり、そのスペースが必要だった。「ロギング機能」を搭載したカードリーダーは名刺サイズのため、管理者が胸ポケットに入れて持ち歩くことも可能。カードリーダーだけで最大2000件分の就業履歴が蓄積できる。蓄積したデータは、後で事務所に戻った時などにパソコンなどにつなぐことで、「建レコ」内に保存できる。「建レコ」内のデータはこれまで通り、自動的に建設キャリアアップシステム(サーバー)に送信される。
カードリーダーは通信回線を必要としないため、電波の届かない山奥の現場などでも使用が可能。他にも、これまでカードリーダーやパソコンなどの設置が難しかった、戸建住宅・リフォームなどの小規模な現場、詰所などがない舗装・軌道工事の現場、広範囲に現場が分かれている大規模現場、1人の現場管理者が複数現場を巡回する場合などに、朝礼や巡回の時などを利用して登録することができる。
同機能については現在、建設キャリアアップシステム対応ICカードリーダー「Dragon_BLE」(サーランド・アイエヌイー)のWindows版のみに対応。2023年6月以前に購入した同製品はファームウェアを更新することで利用できる。ファームウェアの更新は2024年1月末まで無償。[email protected]宛てに、件名「バージョンアップ」と記入して空メールを送信することで送付方法の説明が届く。iOS版は10月以降にリリースを予定。12月以降に、カードリーダー「BNR01」(TOPPANエッジ)にも対応する。※「BNR01」の蓄積履歴数の上限は2730件。
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