見積書や図面は、顧客への提案資料にもなるし現場に対する指示書でもある。できるだけ正確にまとめたい。ウッドシップ(東京都小平市)では、金額のデータベース化や図面のフォーマット化により、設計時の負担を大幅に軽減している。工夫を社長の酒井忠雄さんに聞いた。
POINT.最初期から現実的な金額を提示する
◉顧客が工務店に、まず聞きたいことは総額。同社では、直近半年間(約10棟)の施工事例の、中央値を示すようにしている。平均値ではなく中央値なのは、なるべく作為のない数字を示すため
◉基本プランがまとまるまで、顧客対応は酒井さんの担当。要望を聞きながら、頭の中で空間を想像して、人工や材料費を勘案して、具体的な金額の見当をつける。あくまで酒井さんの勘による数字だが、実際の積算に近い行為を初めから行っている
◉勘とはいえ金額は正確に。一人で設計から施工管理までを一貫して担当する体制が、金額に対する勘を鍛える。また、たとえ図面のない段階であっても、一度出した金額を変更すると信頼を損なう原因になる。要望が多い相手に対しては、上振れした額を伝えるようにしている
POINT.「一式」表記でも裏付けはしっかり
◉基本プランを提出する際には、必ず概算見積もりもセットで提示。概算見積もりまでは酒井さんが作成する
◉概算以降の見積もりは積算ソフト「みつもりLIGHT Jr.」(ビートンソリューション)を使う。あらかじめ、全工種の概算用単価を入力しているので、住宅ローン審査用の見積もりなどは5分もあれば出力できるし、提出用でも1時間あれば作成できる
◉単価の根拠となる詳細なバックデータ(資材の価格・量や人工など)をExcelにまとめておき、さらに・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー8月号(2023年7月30日発行)「楽」は正義! DXらくらくワーク超入門』(P.70〜)でご覧ください。
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