木造住宅の設計・工事監理を主軸とするとやま建築デザイン室(宮崎県木城町)は、一般的には大規模建築に用いられることが多いBIMを、住宅設計に活用している設計事務所だ。「BIMを使うようになったのは、自分の中ではとても自然な流れだった」と話す同事務所代表の外山秋人さんに、住宅設計におけるBIMの活用手法とその効果を聞いた。
「設計ツール」としても「プレゼンツール」としても有用
◉同事務所で使用しているBIMは「Vectorworks Architect(ベクターワークスアーキテクト)」。BIMの導入を検討し始めた2016年以降、外山さん自ら他社製品をいくつも試したり、その会社が主催するセミナーに参加したりしながらより使いやすいツールを探した結果、2次元CADツールを長年使い続けてきた自身にしみ込んだ「レイヤ(階層)の概念」に最も近く扱いやすかったのが同ツールだった
➡BIMが世の中に出回り始め、触れる機会が増えた外山さんは、当時自身が行っていた2次元CADの「線ツールを用いて1本1本図面を描いていく」「図面間の情報がリンクしておらず、1カ所変えると複数の図面の修正が必要になる」などの手間がかかる作業工程に対して次第に疑問を覚えるように
➡それらを解消する「設計ツール」としてはもちろん、顧客の空間やデザインに対する理解度を高めてもらうための「プレゼンツール」としてもBIMは有効な手法だと判断し、導入を決めた。購入当時の金額は買い切り形式で45万円ほど
◉導入した直後、たまたま業務的に1、2カ月ほど手が空く期間ができたため、ガイドブックを読むなどしながら毎日練習を重ねた結果、BIM関連のスキルは独学で習得できた
段階に応じてBIMとSketchUpを使い分け
◉住宅設計を行う際、2次元CADではまず平面的に図面を描き始めるのに対し、BIMでは・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー8月号(2023年7月30日発行)「楽」は正義! DXらくらくワーク超入門』(P.65〜)でご覧ください。
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