石田伸一建築事務所/SIA(新潟県新潟市)は、設計思想を具現化する手段として設計を標準化している。同社はDXによって、事務所を持たずに、代表の石田伸一さんを含む全スタッフ(12人)がノマドで仕事をするスタイルと、強い想いや物語性のある家づくりの両立を実現している。
故郷の原風景が設計思想の原点に
◉最も大切にしているのが設計思想である「Long Loved Design~地材地建、暮らしに心地よさと快適を~」。この設計思想を具現化するために設計の標準化がある
◉設計思想について顧客にも理解、共感してもらったうえで家づくりを進める。そのため初回面談は必ず代表の石田伸一さんが行い、自らの言葉で思想と、その思想を形づくっている要素を丁寧に伝える
◉設計思想を構成する要素は「永く愛される普遍的なデザイン」「地材地建」「本物を使う。本物をつくる」「家と庭で『家庭』をつくる」「HOME SHIFT DESIGN(新築時の状況だけで決めない)」―の5項目
◉設計思想のもとになっているのが、石田さんの生家も含めて今も古民家の集落が残る新潟県十日町の風景。これを原風景としながら、自社の家づくりを通じて「100年前の住宅に学び、100年後のスタンダードをつくる」ことを掲げている
◉説明は全てiPadや大型モニターなどで行い、顧客にはLINEでPDFデータなどを渡すのが基本。紙を希望する顧客には、コンビニでプリントアウトして渡す(以下、出てくる全ての資料が同じスタイル)
基本プランと基本仕様を説明
◉設計思想の中では、「家族の命を守る」ために全棟、許容応力度による構造計算を行っていることや、「家族が生涯にわたって快適、健康かつ経済的に暮らせる」ように高断熱・高気密に床下エアコン、第一種換気といった高い性能をマスト(標準)としていることも伝える
◉設計思想について理解・共感を得た後は・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー8月号(2023年7月30日発行)「楽」は正義! DXらくらくワーク超入門』(P.63〜)でご覧ください。
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