米労働省労働統計局がこのほど発表した「生産者物価指数(Producer Price Index)」で、米国における建材価格が横ばいだったことが明らかになった。4月(-0.2%)5月(-0.1%)に続いてほぼ変化していないという状況で、年初来でも+0.5%とほぼ横ばい。相変わらず建材価格は高止まりしているが、現状以上に上昇する兆候は見られなくなってきている。
針葉樹材の生産者物価指数は前月に3.1%下落していたが、6月は再び上昇に転じ+3.9%となった。針葉樹材の価格は過去1年間で20.9%下落しており、ウッドショックがピークを迎えていた2021年6月の半分以下になっている。
鉄鋼製品の生産者物価指数は先月まで4か月間上昇が続き、合計で12.4%上昇していたが、6月は-0.6%と微減に転じた。同指数はピーク時より約22%落ち込んでいるが、2021年以前の水準と比べるとまだ80%ほど高い。
生コンの生産者物価指数は0.5%上昇し、わずかではあるが上昇が続いた。同指数は過去30か月のうち27か月で上昇しており、この1年間で12.3%上昇した。他の建材の高騰が収まりつつある中で上昇を続ける生コン価格だが、月平均の上昇率は2022年の1.0%から2023年は0.7%に低下しており、価格上昇は鈍化している。
石膏製品の生産者物価指数は0.3%下落し、3か月連続の下落となった。ウッドショックによる暴騰を記録した木材の次に2021年と2022年で価格が高騰した建材が石膏製品だったが、このまま高止まって安定するのかそれとも下落していくのか、この先の動きに注目が集まる。
エネルギーを含む住宅建設への投入財全体の生産者物価指数は横ばいとなったが、同指数は過去1年間で3.6%下落しており、2009年10月以来最大の下落幅となった。
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