LIXIL(東京都品川区)が7月28日公表した2024年3月期第1四半期(2023年4月~2023年6月)の連結決算は、売上収益が前年同期比0.3%減の3591億5700万円、事業利益が同46.3%減の37億4400万円、営業利益が同79.9%減の24億2500万円、最終利益が同93.4%減の3億7700万円と大幅に減少した。
売上収益は「先進的窓リノベ事業」の好調で、国内事業の業績が前年同期比2%増となったが、ヨーロッパ・アメリカでの需要低迷の影響により海外は同6%減となった。事業利益は、海外での人件費・販売活動量の増加、為替の影響を主因として、販管費が25億円(同2.3%)増加。事業利益に大きく響いた。
瀬戸欣哉社長は、決算説明会で「海外を中心に、生産数量減少による固定費負担増が採算面での課題となった。日本では価格高騰分を先駆けて値上げを実施したために競合環境が厳しく、結果としてシェアを狭めた。一方で断熱リフォーム需要による利益貢献が予定よりも早く発現し、4月から成果が見られた」と話した。また海外での需要回復に備えて第2四半期以降、構造改革を積極的に推進すると述べている。
断熱窓好調でLHT事業175%増益
セグメント別では、日本のウォーターテクノロジー業(LWT)事業は、売上収益991億円(同0.1%減)、事業利益53億円(同27.3%減)。浴室は好調だったが、キッチン・トイレは厳しい事業環境が継続。海外では、売上収益1150億円(同5.6%減)、事業損益16億円。ベトナムが当初の期待通りに伸びなかった。
日本のハウジングテクノロジー(LHT)事業は、断熱リフォーム窓の売上が好調に推移し、売上収益1414億円(同3.7%増)、事業利益82億円(同175.6%増)を計上。海外は売上収益60億円(同9.3%減)、事業利益2億円(同28.1%増)となった。
24年3月期通期業績は、断熱リフォーム補助金への期待感から、売上収益は1兆5300億円(前期比2.3%増)、事業利益は400億円(同55.4%増)、営業収益は280億円(同12.4%増)、最終収益は111億円(同34.3%減)と予想した。
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