日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は7月21日、2022年度「会員企業労働時間調査報告書」をまとめた。2024年度から建設業にも時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることを踏まえ、会員企業の取り組み状況を調査した。上限規制(原則)達成の条件は、「法定時間外労働が年360時間以内・月45時間まで」だが、上限規制の適用対象になる非管理監督者の59.1%が上限を超過していた。前年度比で1.6%減少しているものの、さらなる対策強化が求められる。
調査は会員140社に依頼し、113社が回答(80.7%)。調査対象の社員数は14万1408人。
上限規制(特別条項)の達成状況では2割が超過していた。特別条項の達成条件は、①法定時間外労働が年720時間以内、 ②法定時間外労働と休日労働の合計が、どの2~6カ月平均をとっても1月あたり80時間以内、③法定時間外労働と休日労働の合計が1カ月100時間未満、④法定時間外労働が月45時間を超えられるのは年6カ月まで――となっているが、非管理監督者の22.6%(前年度比5.9%減)が超過している状況だった。
上限規制の適用対象になる非管理監督者の状況を業種区分別に見ると、上限規制(原則)の達成状況について、「建築」は73.9%が超過(同5.7%減)、「建築設計」は67.3%が超過(同0.6%減)。上限規制(特別条項)の達成状況は、「建築」は34.4%が超過(同6.2%減)、「建築設計」が21.4%(同9.1%減)だった。
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