ミサワホーム(東京都新宿区)と富士通(東京都港区)は7月25日、富士通が開発した常時認証技術を活用した共同実験を、ミサワホームのコンセプト住宅にて6月から開始したと発表した。期間は2024年1月31日まで。
ミサワホームの住まいづくりの体感施設「ミサワパーク東京」(東京都杉並区)内のコンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」に、生体認証センサとカメラを設置し、人と行動を常に認識する常時認証技術の実証を行う。
常時認証技術は、生体認証技術と「行動分析技術Actlyzer(アクトライザー)」を組み合わせて、人物の位置をリアルタイムに推定することができる技術。生体認証による本人確認結果を、特定エリア内のカメラで撮影された人物と紐づけることで、認証状態を維持しながら常時トラッキングを行う。同技術による暮らしのパーソナライズ化や、家族や訪問者を見守るセキュアな空間に関する検証も実施する。
これまで、カメラの設置位置によって人物の見え方が異なるため、複数のカメラをまたいで人物をトラッキングすることは困難だったが、今回複数のカメラ映像からトラッキング中に服装など外見の特徴を随時抽出し、特徴量を更新する技術を開発した。これにより、人物の見え方の違いを吸収してカメラ間での人物トラッキングを実現した。常時認証にかかる処理はクラウドで行われ、エリア内の機器が処理結果を受け取って駆動するしくみ。同技術は、住宅内のような区切られた空間を移動する際にも活用が見込まれている。
共同実験では、両社従業員や取引先など一部関係者が、検証場所である1階シェアオフィス入口の専用機器で生体認証登録と好みなど自身の情報を登録。シェアオフィス内に設置された生体認証センサとカメラで常時認証を行い、照明機器やスピーカーなどの住宅機器と連動して好みの音楽を流すなど、個人特定精度の高さとパーソナライズ化された住環境の価値を検証する。
今後、暮らしの設備と連携することで、転倒事故のリアルタイムな通知など、セキュアな空間の構築やパーソナライズ化された新しい住まいの実現を目指す。人の行動をトリガーとした通知やキャッシュレス決済など、認証操作を意識させないサービスへの応用も進めるとした。より快適で安心な住まいを提案するとともに、病院や介護施設、オフィスなど公共空間への活用も検討するとしている。
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