信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、姫乃坂建築事務所(愛媛県松山市)が、7月20日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。負債は最大1億5000万円が見込まれる。
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同社は松山市を中心に中予地区を営業エリアとして、在来工法による木造注文住宅で自社ブランドを展開し、テレビCMなど積極的な広告展開を図り、2014年9月期の年売上高は約2億8100万円を計上していた。
しかし、地場同業他社との競合激化やローコスト住宅の需要拡大などにより、低価格受注が増加するなど収益力に課題を抱えていた。また、業界内の人手不足の影響や営業人員など従業員の流出などもあって売上高は低迷し、2020年9月期の年売上高は約1億2000万円、損益は欠損計上となっていた。
営業環境は一層厳しさを増すなか、資材価格高騰など収益の悪化を余儀なくされ、コロナ関連融資での資金調達などで凌いでいたが、返済開始を目前に資金繰りに窮し、今回の事態となった。
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