顧客にとっての家づくりは、一生に一回の機会になる。当然ながら不安が付き物だ。施工する工務店に対して不安(クレーム)を共有することは、期待の裏返しともいえるだろう。
楓工務店(奈良県奈良市)では、顧客からの思いがこもったクレームを、「ラブコール」として受けとめ、再発防止に生かしている。
最終回では、仕組み化で働きやすさと業務効率はどう変わったのか、同社施工管理部の幸岡拓海さんと、インテリアコーディネーター(IC)の玉井茉衣花さんに話を聞いた。
―楓工務店の働きやすさについて、どう感じていますか。
幸岡: 私が入社したのは7年前です。ある程度仕組み化が進んでいた時期でしたが、業務内容が可視化されているので働きやすかったですね。もちろん、上司からのOJTもありましたが、口伝だけで理解するのは難しいです。ガイドラインやチェックリストがあると、工程に対して明確に意識づけを行いながら働けるので、社員の成長も早いのではないでしょうか。
玉井:私は新卒入社ですが、他部署の業務が見える環境でIC以外の経験もできているので、ステップアップできる機会が多い会社だと感じています。さまざまな経験から、仕事への意欲が変わってきたと感じていて、会社やお客様のためを思って仕組み化に取り組めています。
―再発防止報告書は過失割合を記載します。プレッシャーはありますか。
幸岡:過失割合にフォーカスして、プレッシャーを感じることはありません。問題を起こしたからといって上司に責められることはなく、「次に同じことが起こらないようにするために」という再発防止の観点で接してくれて、むしろ「報告してありがとう」と言われます。気持ちが落ち込むことは少ないです。
玉井:仕組み化は・・・
この記事は新建ハウジング7月30日号16面(2023年7月30日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。